シンシア農場昆虫記~アキアカネは恋の季節~ *シンシア豊川*
シンシア農場 ローゼル畑で、
ハートマークを見つけました。
アキアカネのカップルです。
上になっているのがオス。
アキアカネのメスは赤くありません。
アキアカネは、5月から6月頃に羽化します。
そして、標高の高い地域で7月から8月を過ごします。
高所で夏を過ごしたアキアカネは、
気温が下がってきた秋ごろに平地に移動し、群れをなします。
こうして私達は、
ある日突然現れたアキアカネの大群に出会うことになるのです。
アキアカネは平地で繁殖行動を行い、
卵を水面や水際の泥に産み付けます。
成虫は、11月頃まで生きます。
アキアカネのオスは、どうやって、赤くなるのでしょう?
この謎が解明されたのは、
ごく最近、2012年になってからです。(注)
従来からわかっていた赤くなる方法は、
次の三つ。
・酵素を使って自分の体の中で色素を作る。
・餌から色素を取り込む。(フラミンゴ等)
・もともと持っている色素を体の表面に移動させる。(ベニザケ等)
アキアカネのオスの色の変化は、
これらのどれにも該当せず、
体の中に持っている色素を酸化型から還元型に変化させて色を変化させているのです。
日本人にとって、なじみの深い赤トンボ。
しかし、昆虫たちの間には、
まだまだ、私たちの知らない世界が広がっています。
注)産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門
生物共生進化機構研究グループ 二橋 亮 らの研究による。
2021.10.25 | シンシア豊川