南から来たさつま芋の害虫 ~ヨツモンカメノコハムシ~*シンシア豊川*
ヨツモンカメノコハムシ。
葉虫の仲間ですが、このカメノコハムシ、
或いはジンガサハムシと呼ばれる仲間は、
非常に特徴的な外観をしています。
体長は1cmにも満たない大きさですが、
亀の甲羅(或いは陣笠)のような形をした透明な背中。
それから3枚目のひっくり返った写真。
脚は、筋肉質の太腿とまるで人間のような足の裏。
とても昆虫とは思えない脚をしています。
この虫を見つけたのは、
ジャガイモの葉の上ですが、
サツマイモの害虫です。
サツマイモを収穫し終わったので、
隣のジャガイモの葉の上に移ったと思われます。
元々は、東南アジアから琉球列島が生息域でしたが、
近年、急速に本州域に生息範囲を拡大しつつあります。
愛知県下で最初に確認されたのは、
わずか2年前(2018年)のことです。
(豊橋における記録が初)
現在の生息域は、
4番目の図に示された赤丸の範囲に拡大され(注)、
今後、ますますその生息域を北に拡大していくと思われます。
人間の活動(地球温暖化など)によって、
昆虫の生息域に大きな影響が与えられている事例の
1つとしてみることができると言えます。
注)ホシザキグリーン財団研究報告 第23号:227-243頁 2020年3月 ヨツモンカメノコハムシの分布記録および日本国内、特に琉球列島における分布の現状 重藤裕彬ら による。
2020.11.07 | シンシア豊川