田んぼの中の小さな生きものたち ~指標生物・ミズダニ~ *シンシア豊川*
指標生物という言葉を御存じでしょうか?
ウィキペディア(Wikipedia)には、次のような説明があります。
『指標生物とは、
様々な環境条件を調べる際に、
そこに生息する生物のうち、
ある条件に敏感な生物を用いて調べる場合の、その生物を指していう言葉である。
この方法の事を生物指標と言う。
特に、河川の汚濁を調べる際の水生昆虫を中心とする淡水動物の例が有名である。』
ミズダニは、
農薬などの化学物質による汚染にとても敏感で、
指標生物として代表的な生物です。
1982年~1984年にかけて行われた、
水生昆虫の大規模な調査では、
慣行農業の水田が広がっている地域において、ミズダニを発見することはできませんでした。(注)
今回、
私たち、自然栽培の水田で、
ミズダニを発見できたということは、
私たちの水田が、
化学物質による汚染がないという証であり、
大きな意味があると考えます。
ミズダニはクモの仲間です。
卵から6本脚の幼虫、
8本肢の若虫を経て成虫になります。
(写真は成虫と思われます)
写真のミズダニは、とても地味ですが、
色鮮やかな種類もいて、
水中の宝石箱とも言われます。
(注)常磐大学人間科学部教授 今村泰二らによる。
但し、40年前の調査のため、農薬類は現在よりも強いものが使われていたと推測される。
2021.10.11 | シンシア豊川