カフェ・アザレアより~2022年5月12日号
今週は久しぶりにクリームパンを焼きました。
ふわっふわの生地にミルクたっぷりのクリームで
くちどけは抜群です。
パンの生地の中に入れるカスタードクリームも
もちろん手作りです。
「やわらかいのん、フワフワだのん。」
「はいっとるなかみも上手いのん。」
ご入居者の皆さんにも喜んでいただけた仕上がりとなりました。
2022.05.12 |
カフェ・アザレアより~2022年5月5日号
端午の節句の今週は、これまたご入居者さんからのご要望の『かしわ餅』をお出ししました。
「5月5日はお節句だよ。端午の節句。かしわ餅を食べなきゃね。」とのご要望でした。
中身のあんこは粒あんにしました。外側の上新粉のお餅とあんこが相まって美味しいですね。
私の祖母のことを思い出しました。
もう半世紀以上も前のことですが、実家の祖母が元気な頃は旧歴の端午の節句には
祖母自ら必ずかしわ餅を作っていました。
旧暦の端午の節句にならないとかしわの葉は大きくなりませんし、
当時は旧暦で様々な行事を行っていました。
外側を包むかしわの葉は庭のなかで大木となっているかしわの木から採りました。
たしか生の葉っぱは熱湯で茹でて使っていたように覚えています。
祖母はなんでも手早いことが自慢の人でした。
かしわ餅のあんこも乾燥の晒し餡を使い、あっという間にできましたが、
乾燥の晒し餡は実は私にとっては大の苦手で食べたくないもののトップでした。
かしわ餅もたくさん作りましたので、何日も残っていました。
2日くらいたつと、なかからあんこの砂糖がみつとなって垂れてきますし、
外側のお餅部分も割れてしまい、食べるのがほんとにつらかったです。
今、時間があればあんこは豆から焚き、生地をこねてお菓子を作っていますと
時折祖母のことを思い出します。
専業農家で忙しく働いていた祖母が忙しい時間のなかをやりくりして
お節句のお祝いをしてくれていたのだと思うと、
あの頃、祖母のかしわ餅を食べないで済む工夫をしていたことが悔やまれます。
祖母が亡くなってもう50年が過ぎます。
こんなになって謝るのももう遅いでしょうか。
「おばあちゃん、ごめんね。」
2022.05.06 |
カフェ・アザレアより~2022年4月28日号
そぼ降る雨の肌寒い今週は、ご入居者さんからのご要望の
『大判焼き』を焼きました。
飲み物を運ぶぎりぎりのところで焼き上げ
熱々焼きたてをお出ししました。
「ぬくとくて、いいねえ。」(ぬくとくて←三河弁で温かいことです)
「あんこがたっぷりだね。」
熱々+あんこ+ふかふか+施設中に立ち込める香り=満足度はアップしたようでした。
さて、せんりょう万両のある三河では『大判焼き』と呼びますが
この大判焼き、なんとその呼び名はたくさんあり、地域によってさまざまです。
・大判焼き
・今川焼き
・太鼓焼き
・回転焼き
・巴焼き
・ふうまん
・あじまん
・二重焼き
・御座候
など、たくさんの呼び名があります。
そのなかでも全国的には、『今川焼き』の名前が一番有名のようですが、
東北や東海地方、また四国地方などでは「大判焼き」という名前で親しまれているとのこと。
これは、愛媛県で「大判焼き」という名前で大型サイズのものが発売されたのが由来とされているようで
大型なので大判。これが景気がいいということで全国へ広まり、「今川焼き」と同じくらい一般的になったようです。
いずれにせよ、卵を使ったやわらかい生地のなかに、あんこがたっぷりとはいっているのが特徴ですね。
2022.04.29 |
カフェ・アザレアより~2022年4月21日号
春真っただ中の今週は、先週に引き続いて旬の果物のいちごを使い
『いちごパフェ』を作りました。
『いちごパフェ』は咀嚼嚥下の困難なご入居者さんも
普通食で召し上がることのできるご入居者さんも
全員が召し上がっていただけます。
パフェの下の部分はミルクババロアです。
これも春色できれいですね。
皆さん楽しんでいただけましたでしょうか。
2022.04.22 |
カフェ・アザレアより~2022年4月14日号
今週もご入居者さんのご要望より『いちご大福』を作りました。
朝いちで、愛知県豊川市の地域限定ブランド苺『恋のかほり』を
見つけましたので、早速購入してきました。
『恋のかほり』は、酸味と甘みのコントラストが大変よく
そのままでももちろん美味しいですが
今回は『いちご大福』に仕込みました。
咀嚼嚥下がむつかしく、『いちご大福』のまま召し上がることのできないご入居さん
には『春色プリン』をお作りし、召し上がっていただきました。
せんりょう万両では、普通の形状で召し上がることが困難なご入居者さんにも
楽しんでいただけるよう、できる限り形状を変えてお出ししています。
今週は、『いちご大福』と『春色プリン』のどちらもが、大変喜んでいただけました。
そして、やっぱり、美味しいものはすぐにおわかりになり、
「今日のいちごは美味かった!あんないちごをまた頼むよ!」
とも声をかけていただき、お値段少々張りましたが、『恋のかほり』購入して正解でした。
今週は、『いちご大福』と『春色プリン』の両方を掲載させていただきます。
2022.04.15 |
カフェ・アザレアより~2022年4月7日号
「来週は桜餅が食べたいわ。」とのご入居者のF子さんのご要望にお応えし
今週は『桜餅』を作りました。
さくらの花のような淡い色にと食紅で色を付けるのですが
まずまずの優しい色に仕上がりました。
「今日はうれしいわ。私の希望を叶えてくれて。
桜餅わね、葉っぱも一緒に食べるのが美味しいのよ。」とF子さん。
「そうお、私は葉っぱは取って食べるわ。」とM江さん。
桜餅の、葉っぱは取って食べる派と葉っぱはつけて食べる派とで
お話しながら、仲良く最後は、
「あら、あっという間になくなっちゃったねえ。」とのご感想。
ご満足いただけたようでなによりでした。
2022.04.07 |
カフェ・アザレアより~2022年3月24日号
桜の花もしっかりとつぼみをつけ、何輪か花を咲かせだした今週は
『イチゴのジャムパン』を作りました。
つぶつぶの触感を楽しんでいただけるようパンの中に入れるジャムは
ちょっとお高いものを選びました。
オーソドックスなパンですが、香りとお味の両方を楽しんでいただけます。
イチゴの香りはまさに『春』ですね。
「やわらかいね、フワフワだね。」とパンの触感を楽しまれるNさん
「今日はなんだね、いい香りだねえ。」とイチゴの香りを楽しまれるTさん
食べ物は人間の五感(味覚・聴覚・嗅覚・視覚・触覚)に働きかける最たるものですね。
五感への刺激は、認知機能の回復と改善に、また脳の疲れを取る効果があるといわれています。
やっぱり食べ物ってすごいですね。
2022.03.24 |
カフェ・アザレアより~2022年3月17日号
お彼岸の入りの今週は、『おはぎ』を作りました。
ご入居者さんの一番人気は何と言っても餡ものです。
おはぎは、もち米とうるち米を2対1の割合にして
柔らかく召し上がっていただけるようにし
また、塩分も加えて唾液の促進を図りました。
「今日は食べますよ!!」とおっしゃられていたNさんが
「私は黄な粉のほうが好き!」と仰られると
「私はあんこのほうが好き!」とFさんが答えられ
ユニットのなかでも、おはぎでお話の華が咲いたようです。
2022.03.18 |
カフェ・アザレアより~2022年3月10日号
春らしい暖かさと同時に花粉舞い散る季節となりました。
皆さん、いかがお過ごしですか。
せんりょう万両のご入居の皆さんは
体調悪くなることもなく、穏やかにお過ごしでいらっしゃいます。
あるユニットでは、「梅を見に行こうか。」と誰ともなく話があがり、
「いいねえ、桜もいいけど、梅の花も可愛らしくて風情があるねえ。」と
ご入居者のなかで話が盛り上がり、早速、梅見の行事ができあがりました。
しばらく良いお天気も続くようで
今週中にはお出かけされるとのことです。
さて、春らしくなった今週は
『メープルシロップのブリオッシュ』を作りました。
ブリオッシュ生地にメープルシロップを折り込み
何層かにしたのちにスライスアーモンドを散らして焼き上げ
焼きあがったパンには卵白と粉砂糖で作ったアイシングでお化粧し、出来上がりです。
とってもジューシーで、ひと口食べるごとにメープルシロップの香りで
お口の中はいっぱいになります。
さっきまでご機嫌がすぐれなかったNさんも
パンを召し上がっていくうちにいつもの笑顔が戻られたとのこと
パン(お菓子)のちからってすごいものですね。
2022.03.10 |
カフェ・アザレアより~2022年3月3日号
お雛祭りの今週は、『いがまんじゅう』を作りました。
三河地方ではおなじみのいがまんじゅうも
他県では「初めて聞きます。」との声も聞かれるくらい
メジャーなものではないようですが
三河では知らない方はみえないくらいのお菓子です。
「今日は木曜日だねぇ、今日は何をだしてくれるかん?」
「わしゃあ、あんこのやつがいいなぁ。」
「わたしゃあケーキが食べたいわ。」
などなど、木曜日にお作りするお菓子を楽しみにしてくださっているとのこと。
励みになりますね。
でも今週は、淡い色合いがトレードマークのいがまんじゅうが
ピンクに染めたはずのモチ米が思いのほか紅く出来上がってしまい
いささか自己主張をはっきり出してしまったところは
どうぞご愛敬というところでお許しください。
2022.03.04 |