ブログ

カフェ・アザレアより~2022年5月5日号

端午の節句の今週は、これまたご入居者さんからのご要望の『かしわ餅』をお出ししました。

「5月5日はお節句だよ。端午の節句。かしわ餅を食べなきゃね。」とのご要望でした。
中身のあんこは粒あんにしました。外側の上新粉のお餅とあんこが相まって美味しいですね。

私の祖母のことを思い出しました。

もう半世紀以上も前のことですが、実家の祖母が元気な頃は旧歴の端午の節句には
祖母自ら必ずかしわ餅を作っていました。
旧暦の端午の節句にならないとかしわの葉は大きくなりませんし、
当時は旧暦で様々な行事を行っていました。

外側を包むかしわの葉は庭のなかで大木となっているかしわの木から採りました。
たしか生の葉っぱは熱湯で茹でて使っていたように覚えています。

祖母はなんでも手早いことが自慢の人でした。
かしわ餅のあんこも乾燥の晒し餡を使い、あっという間にできましたが、
乾燥の晒し餡は実は私にとっては大の苦手で食べたくないもののトップでした。

かしわ餅もたくさん作りましたので、何日も残っていました。
2日くらいたつと、なかからあんこの砂糖がみつとなって垂れてきますし、
外側のお餅部分も割れてしまい、食べるのがほんとにつらかったです。

今、時間があればあんこは豆から焚き、生地をこねてお菓子を作っていますと
時折祖母のことを思い出します。
専業農家で忙しく働いていた祖母が忙しい時間のなかをやりくりして
お節句のお祝いをしてくれていたのだと思うと、
あの頃、祖母のかしわ餅を食べないで済む工夫をしていたことが悔やまれます。

祖母が亡くなってもう50年が過ぎます。
こんなになって謝るのももう遅いでしょうか。
「おばあちゃん、ごめんね。」

20220505_113208-1

LINEで送る

2022.05.06 | 

このページの先頭に戻る